医学教育部の施設 Research facility

共同利用研究施設

共同利用研究施設の前身は、医学教育並びに研究の進歩・充実に欠かすことのできない機器及び設備を有し、各学科目・各講座等が必要に応じ自由に利用できる研究室ということで、昭和52年1月、共同利用研究室の管理及び運営に関する通達(昭和52年防衛医科大学校達第3号)の制定により設置された共同利用研究室である。同研究室は、当初電子顕微鏡室、超遠心機室、アミノ酸分析室及び血液分光分析室の4室で構成されていたが、同年4月に動物実験棟(昭和54年度に動物実験施設として独立)、昭和53年度には組織標本作成室、写真室及び電子計算機室を加え1棟7室となり、機器の設備も計画的に整備された。また管理及び運営面では、その基本的事項を審議するため共同利用研究室運営委員会が設置され、初代委員長には生理学第一講座 藤野和宏教授が選ばれ、その後、委員長には昭和54年に生理学第二講座 辰濃治郎教授、昭和56年に生化学第一講座 間宮群二教授が務めた。
歴代委員長は、いずれも各研究室の効率的運用及び充実に力を注ぎ、その結果今日の基盤が築かれた。昭和57年度に至り、研究室の質的向上を図るため、かねてより要望していた共同利用研究施設が組織として新設され、医学教育部及び研究に必要な機器及び機具(動物実験施設に備える物を除く)を大学校において共同利用するために置かれることになった。
施設長には、昭和57年に生化学第一講座 間宮群二教授、昭和60年に病理学第二講座 布施裕補教授、昭和62年に解剖学第二講座 木村邦彦教授、平成3年に病理学第一講座 鈴木実教授、平成5年に泌尿器科学講座 中村宏教授、平成6年に小児科学講座 吉岡重威教授、平成8年に産科婦人科学講座 永田一郎教授、平成9年に医用電子工学講座 菊地眞教授、平成11年に防衛医学研究センター医療工学研究部門 栗田明教授、平成13年に解剖学第二講座 依藤宏教授、平成15年に公衆衛生学講座 吉澤信行教授、平成17年に生理学講座 西田育弘教授、平成20年に生化学講座 瀧島邦夫教授、平成22年に解剖学講座 小林靖教授、平成25年に国際感染症学講座 宮平靖教授、平成28年に医用工学講座 石原美弥教授、そして令和5年に生理学講座 守本祐司教授がそれぞれ就任し現在に至っている。
研究室は既述の写真室が廃止され、組織培養室、細胞分析室、生体機能室、光学顕微鏡室、タンパク質分析室、アミノ酸分析室、核酸分析室、画像解析室、電子顕微鏡試料室、低温室の増設により16研究室となった。

当施設は共同研究棟(5号館) 1階、2階、3階に設けられている。必要機器の導入、更新を行いつつ、共利研利用者の研究推進に最善の態勢で尽力している。現在の各研究室の主な機器の整備状況は以下のとおりである。


2階研究室
  • 核酸分析室:リアルタイムPCR、DNAシーケンサー、遠心濃縮器、振盪培養器
  • 血液分光分析室:フローサイトメーター、セルソーター、タンパク質発現装置
  • タンパク質分析室:生体分子間相互作用解析装置、二次元液体クロマトグラフ
  • アミノ酸分析室:ルミノイメージアナライザー、ガスクロマトグラフ質量分析システム、エライザシステム、バイオアナライザー、電気泳動撮影装置、次世代シーケンサー
  • 超遠心機室:超遠心機、真空凍結乾燥機

  • 3階研究室
  • 光学顕微鏡室:共焦点レーザー顕微鏡
  • 組織標本作製室:組織切片作製装置、組織切片自動作製装置、プレパラート自動封入機、回転式ミクロトーム、滑走式ミクロトーム
  • 電子顕微鏡室:透過電子顕微鏡、走査電子顕微鏡、蛍光実態顕微鏡
  • 画像解析室:細胞動態解析システム、オールインワン蛍光顕微鏡、バーチャルスライドシステム、写真顕微鏡
  • 組織培養室:クリーンベンチ、加熱殺菌機、オートクレーブ、遺伝子導入装置、CO2細胞培養装置

  • 1階研究室
  • 生体機能室:携帯型多用途生体、体機能形態測定システム

  • その他
  • 動物実験施設第1動物実験棟:小動物X線イメージング装置
  • 共同利用研究施設に関する基本的事項を審議するため、共同利用研究施設運営委員会を置き、委員長には施設長を充てている。審議事項は研究施設で整備する器材の選定、日常の運営に必要な事項についてである。
    平成20年度に共利研ホームページを開設し、共利研利用者向けに機器の紹介、利用状況などを掲載している。機器の紹介として、正式名称、型番、導入年度、写真に加え、詳細な用途、特徴、などを記載している。正式名称、型番は論文、学会発表などで容易に情報を入手できることも一つの目的である。さらに、機器が故障した場合、ポータルサイトのお知らせ欄に機器の状態、修理が必要な場合にはその状況を掲載している。共利研スタッフと利用者との情報共有の場となっている。ポータルサイト(http://lab.ndmc.ac.jp)だけでもHP開設以降、23,718名(令和4年2月)のアクセス数がある。
    また、このオンラインシステムを活用して、共利研利用者は氏名、所属、連絡先などの登録をして利用登録ができるようにしている。これは、共利研側にとっても利用者リストができるため機器管理の連絡等に役立てている。機器利用法の講習会の案内、新規導入機器の説明会などもオンラインで行い業務の効率化に努めている。

    共利研スタッフは、機器の利用法指導や維持等を業務として行いつつ、研究や教育にも関与している。実際、共同研究のみならず自らの研究テーマを持ち、各種競争的研究資金を獲得して基礎医学研究を行う教官も在籍している。医学生の研究室配属や、研究科初期教育での共利研ツアー開催など、教育にも積極的である。
    以上、施設長を中心に、共利研スタッフは、防衛医大の研究や教育の基盤となるように努めている。「防衛医大において真に役立つ大型機器は何か」を念頭に、共利研としてあるべき姿を日々追求している。

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