医学科 Medicine

脳神経外科学

脳神経外科集合写真

脳神経外科集合写真

沿革

昭和51年 脳神経外科初代教授 千ヶ崎裕夫教授就任
昭和53年 脳神経外科学講座としての本格運用が開始
昭和55年 日本脳神経外科学会専門医指定訓練施設A項に認定
防衛医科大学校第1期生の卒後初認実務研修が開始
平成23年 日本脳神経外科学会専門医訓練基幹施設に認定

初代部長  千ヶ崎 裕夫 教授   昭和51年1月~平成8年2月
第2代部長  島 克司 教授     平成8年3月~平成23年3月
第3代部長  森 健太郎 教授    平成24年4月~平成31年2月
第4代部長  和田 孝次郎 教授   令和元年9月~

令和5年9月現在、和田孝次郎教授、豊岡輝繁准教授(本校18期生)、富山新太講師、竹内誠講師(本校23期生)、三島有美子助教、藤井和也助教(本校25期生),新山拓矢助教、田之上俊介医師(本校30期生、高度専門研修)の8名がスタッフとして活動している。

教育の概要

医学生教育としては、昭和53年4月から脳神経外科系統講義を、同年10月から臨床実習(ベッドサイドティーチング;BST、後にベッドサイドラーニング;BSLと改称)を開始した。現在、卒前教育として、第3および4学年の系統講義および診断学実習、第5および第6学年の臨床講義、第4および第6学年のBSLを行っている。系統講義では、頭部・脊髄外傷、脳血管障害、脳腫瘍、先天性中枢神経疾患、機能的疾患など、すべての脳神経外科関連疾患を網羅し、診断学実習において神経診察法を中心に指導している。総合臨床医となる自衛隊医官にとって、救急診療における意識障害の神経診察法を習得することは必須であり、特に習熟させるよう努めている事項である。 脳神経外科専攻医の教育としては、毎日の教授回診、毎週2回行う症例カンファレンスにおいて、専修医が和田教授による指導を受けている。専修医は、鑑別診断、手術方法や術後病理所見等を最新の文献的知見とともに提示するのみではなく、一人ひとりの患者背景を考慮した最善の治療を考察する。専門的な知識や技巧の習得のみではなく、常に包括的な視点から全人的医療を行える脳神経外科専門医を育成していくことに力を入れている。
毎年夏季には、解剖学講座小林靖教授のご協力を得て、研修医から教授まで、全員参加型のご献体を使用した手術解剖トレーニングを実施している。この結果、令和4年10月現在までに本講座より85名の日本脳神経外科専門医を輩出している。また、研究科学生には、積極的に国外留学、国際学会発表の機会が与えられるなど、国際レベルの広い視野を持った脳神経外科医の育成に力を入れている。

研究の要約

本講座は開設以降、頭部外傷、脳血管障害、脳腫瘍などの基礎研究に成果を上げてきた実績がある。現在、和田教授を中心に、豊岡准教授、竹内講師、大村講師とともに、大塚陽平研究科生(本校32期生)、吉浦徹研究科生(本校32期生)、中川政弥研究科生(本校33期生)、遠藤あるむ研究科生(本校34期生)が、中枢神経損傷における皮質拡延性脱分極の病態解析、水素治療や高気圧酸素曝露に関する研究を行っている。富山講師は、藤井隆司研究科生(本校32期生)、萩田大地研究科生(本校35期生)とともに、順天堂大学医学部脳疾患連携分野研究講座と共同し、悪性脳腫瘍の基礎研究と新しい治療法の開発を行っており、今後の成果が期待される。

診療の概要

和田教授を中心とした教官らが、研究科生、専門研修医および初任実務研修医とともに患者ひとりひとりを医局員全員で診療する体制をとっている。手術においては、脳血管障害に対する開頭・頚部手術や脳腫瘍摘出術など、さまざまな脳神経外科手術に対応している。難易度の高い脳動脈瘤手術や広範囲頭蓋底腫瘍に対してはバイパス術や頭蓋底外科を駆使し治療にあたっている。特に、和田教授は、頸部内頚動脈狭窄症に対する血栓内膜剥離術を積極的に行っており、通常では治療困難な高位病変にも対応し、良好な成績を上げている。豊岡准教授は、下垂体病変を含む頭蓋底病変に対する神経内視鏡を用いた低侵襲の経鼻的手術に、大村講師はグリオーマなど悪性脳腫瘍の手術を含む集学的治療に、竹内講師は脳血管障害・頭部外傷の手術・集中治療に、田之上医師は脳血管内治療指導医として脳血管疾患に対する経遠位橈骨動脈アプローチによる低侵襲の脳血管内カテーテル治療に力を入れており、今後の成果が期待できる。年間手術件数は徐々に増加し、現在、250-300件で推移している。

令和3年 脳神経外科手術解剖実習の写真

令和3年 脳神経外科手術解剖実習

令和3年日本脳神経外科学会関東支部会主催

令和3年日本脳神経外科学会関東支部会主催

2022年 発表論文

1) 和田 孝次郎, 鈴木 信哉, 望月 徹, 四ノ宮 成祥, 小島 泰史, 藤田 智, 高木 元, 森松 嘉孝, 小柳津 卓哉, 新関 祐美, 柳下 和慶 耳かき用スコープを用いた中耳圧外傷テレメディスンの試み.日本高気圧環境・潜水医学会雑誌57,1-6,2022.

2) Tanabe N, Toyooka T, Wada K. 難治性糖尿病と脳膿瘍を合併し治療に難渋した先端巨大症の1 例.日本内分泌学会雑誌97(4):pp.775-775

3) 野村和希, 豊岡輝繁, 植木航, 奥澤惇, 鈴木悠平, 佐藤翔, 萩田大地, 大塚陽平, 竹内誠, 大村朋子, 和田孝次郎.両側慢性硬膜下血腫合併の特発性低髄圧症候群に治療初期での硬膜外自家血注入が著効した2 治療例.Neurosurgical Emergency 27(1):pp.79-83

4) 野村和希,赤津淳,半田良也,前田大和,田嶋修. COVID-19集団感染発生時の院外診療におけるCT診断車使用の検討.防衛衛生69(7,8) : 71-76: 2022.

5) Wada K, Toyooka T, Takeuchi S, Otsuka Y, Tomiyama A, Tomura S, Omura T, Mishima Y, Fujii T, Tanoue S, Nomura K. パンデミック下の脳神経外科救急. Neurosurgical Emergency 26(3):pp.271-271

6) Otsuka Y, Tomura Satoshi, Omura T, Takeuchi S, Tomiyama A, Toyooka T, Wada K. 頭部外傷に対する急性期水素ガス吸入効果の検証. Neurosurgical Emergency 26(3):pp.314-314

7) 佐藤翔, 竹内誠, 大塚陽平, 豊岡輝繁, 和田孝次郎. 軽症頭部外傷に対する高気圧酸素治療. 日本高気圧環境· 潜水医学会雑誌57(1):pp.11-19

8) 奥澤惇, 豊岡輝繁, 田之上俊介, 竹内誠, 大村朋子, 富山新太, 新山拓矢, 大塚陽平, 戸村哲, 和田孝次郎. バルーン閉塞試験後に頭蓋外頭蓋内ローフローバイパス併用コイル母血管閉塞にて根治した外傷性内頚動脈海綿静脈洞瘻の1例. 神経外傷45:pp.31-35.

9) Tanoue S, Ono K, Toyooka T, Okawa H, Wada K, Shirotani T. The Short-Term Outcome of middle meningeal artery embolization for chronic subdural hematoma with mild symptom: case series. World Neurosurgery 29:pp.1878

10) Fujii T, Teranishi K, Yatomi K, Suzki K, Mitome-Mishima Y, Kondo A, Oishi H. Long-term Follow-up Results after Flow Diverter Therapy Using the Pipeline Embolization for Large or Giant Unruptured Internal Carotid Artery Aneurysms: Single-Center Retrospective Analysis in the Japanese Population. Neurol Med Chir (Tokyo) 62 (1): 19-27, 2022

11) Terushige T, SatoruT, Naoki O, Kumagai K, Tomiyama A, Wada K, Mori K. Prophylactic intraventricular piping method prevents entrapped temporal horn after removal of ventricle trigone meningioma: technical note. World Neurosurgery 168:pp.13-18

12) Nomura K, Suzuki H, Iimura Y, Mitsuhashi T, Tamrakar S, Ueda T, Nishioka K, Fusegi K, Tada M, Nakajima M, Kakita A, Sugano H. Epilepsy surgery without lipoma removal for temporal lobe epilepsy associated with lipoma in the Sylvian fissure. Acta Neurochir (Wien). 2023 Jan;165(1):265-269.

13) 奥澤惇, 豊岡輝繁, 野村和希, 山本哲也, 大塚陽平, 吉浦徹, 田之上俊介, 竹内誠, 大村朋子, 和田孝次郎. 非動脈瘤性くも膜下出血で発症後慢性期に脳虚血発作を伴う病期進行に対し血行再建術が有効であったもやもや病の1 例. 防衛医科大学校雑誌47(4):pp.236-241

14) 戸村 哲、関根康雅、齋藤大蔵.マスギャザリングにおけるテロ災害医療:事態対処医療.日本臨床スポーツ医学会誌30(4), 134, 2022

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