教育方針(カリキュラム・ポリシー)
教育方針(カリキュラム・ポリシー)
防衛医科大学校医学科は卒業時コンピテンシー修得のために、次の方針でカリキュラムを編成している。
カリキュラムは進学課程、専門課程、訓練課程からなる。
第1学年:進学課程と訓練課程を中心に修得する。進学課程のうち、人文・社会科学系の学科目では、医師としてのプロフェッショナリズムと国際社会で活動するための基本的能力の基盤を、自然科学系の学科目では、基礎的研究能力の基盤を涵養する。訓練課程では訓育、教練、部隊研修等を通じて幹部自衛官としての資質を培い、併せて国際社会で活動するための基本的能力を養う。
第2学年:専門課程と訓練課程を中心に修得する。専門課程は基礎医学を中心とし、学体系に基づくカリキュラムによって医学的なものの考え方を修得する。これにより、基礎的研究能力とは何かを知り、医師としてのプロフェッショナリズムを学ぶとともに、基盤的診療能力を修得するための準備を行う。
第3学年:引き続き専門課程と訓練課程を中心に修得する。専門課程は学体系に基づくカリキュラムから器官系別のカリキュラムに移行する。器官系別のカリキュラムでは疾患の病態と診断・治療について理解する。これにより基礎的研究能力を養い、基盤的診療能力の修得を開始し、引き続き医師としてのプロフェッショナリズムを学ぶ。器官系別カリキュラムの冒頭を基礎講座等が担当することで、学体系に基づくカリキュラムからの移行を容易にしている。
第4学年:12月までは引き続き専門課程の器官系別カリキュラムを中心に学習する。12月と1月に共用試験(CBT・OSCE)を受験し、その後実施される研究室配属では研究の実際に触れることで実証的な考え方を学び、基礎的研究能力をさらに向上させる。2月から開始される診療科別の臨床実習では、診療参加を通して医療の現場で実際の症例によって、基盤的診療能力を修得し、医師としてのプロフェッショナリズムを向上させる。
第5学年:通年で臨床実習を行い、基盤的診療能力と医師としてのプロフェッショナリズムをさらに向上させる。
第6学年:引き続き前半は臨床実習を行い、基盤的診療能力と医師としてのプロフェッショナリズムを充実させる。その後総合試験の準備を行い知識と技能の再確認を進める。
進学課程と専門課程は上記の学年配分を原則としつつ、必要に応じて前後の学年にも時間を配分することにより、早期の体験によって学習意欲を高め、高学年への継続によってさらに高度な内容の修得を可能にしている。
到達度の評価:学生の到達度の評価は、各科目で適宜実施する形成的評価を経て、定期試験による総括的評価が行われ、進級判定がなされる。第1~3学年の定期試験は前期試験と後期試験からなり、第4学年は11月の定期試験と12月と1月の共用試験(CBT・OSCE)からなる。第5学年は1月に進級試験が行われる。第6学年は臨床実習での各科の評価と9月と11月の総合試験に基づき卒業判定がなされる。