成人看護学
沿革

前列左から:川村・眞鍋・井上・田代
成人看護学講座は、眞鍋知子教授、川村崇郎准教授、井上正隆准教授、田代幸子講師、村上希助教、福内愛助教、穴井えりも助教、永田明恵助教の8名の教官で構成されています。
医療のグローバル化、超高齢社会、医療のIT化と、看護を取り巻く環境はダイナミックに変化を続けています。そのため、成人看護学分野では臨床現場の最新の知識・技術を教育に反映すべく、防衛医科大学校病院看護部と協働し、より質の高い看護実践、教育、研究の連携に取り組んでいます。
教育の概要
成人看護学を通じ、学生は社会を支える世代である成人期や老年期にあたる人々の、健康生活を支援する看護援助のあり方と実際を学びます。看護学教育の中で最も実習時間数の多い、看護学教育の柱となる領域です。
1年次には、「成人看護学概論」で成人期の発達段階や発達課題、社会を支える世代のヘルスプロモーション活動、基礎看護学を展開させた学問としての位置づけを学びます。
2年次には、「成人・老年看護援助論Ⅰ」で、健康が危機的状態に陥っている患者・家族への看護支援や、慢性疾患と共生する必要のある患者・家族への看護支援を代表的な疾患を通して学んでいきます。「成人・老年看護援助論Ⅱ」では、理論や知識を実習あるいは臨床現場でスムーズに活用できるようリアリティな事例を通して看護アセスメント能力や計画立案力を学生自らがアクティブに能力を向上させ、基礎看護学領域で学んだ看護技術を患者・家族の状況に合わせ活用できることを目指します。
3年次では、連携病院や協力施設に入院/入所されている方を対象に「成人看護学実習(約9週間)」で、今までの学びを実際の臨床現場で統合していきます。また、「緩和ケア論」等の選択科目で、希望者にはさらに学びを深めることができる体制を整えています。
特に3年次の領域別実習は、防衛医科大学校病院等の連携病院や協力施設において少人数グループ制で行い、臨床指導者と教員によるきめ細やかな指導を受けることができる環境下にあります。今まで学習した理論と知識を統合し、対象者の個別性に合わせたケアを提供できる知力と技術を備えた人材の育成を目標に、臨床指導者と密な協力体制を構築しています。

成人看護援助論Ⅱの演習場面
研究の要約
眞鍋教授は、慢性疾患患者やクリティカルな状態にある患者への看護実践および健康維持に関する研究や成人期のハーディネス能力に関する研究、学生のコミュニケーション能力に関する研究をしています。
川村准教授は、糖尿病をもつ高齢者の低血糖に関心を持ち、高齢者自身の低血糖の体験を踏まえた看護支援のあり方について研究しています。
井上准教授は、生活史や背景にある文化を通して、看護職の対象理解を深める研究(文部科学省基盤研究(C)24K13666)や体験を通した学習を支えるために、デジタル技術を用いた教材開発の研究を行っています。
田代講師は、クリティカルケア領域での看護実践や意思疎通困難な患者への看護を、現象学を手掛かりにして研究しています。
村上助教は、慢性腎臓病で血液透析を受ける患者の看護に関する研究、他大学と共同で慢性期看護における看護系大学学生を対象とした教育に関する研究を行っています。
福内助教は、災害看護に必要な知識・技術を習得するための看護師教育に関する研究に取り組んでいます。
穴井助教は、糖尿病看護認定看護師であり、糖尿病をもつ人の看護支援に関する研究に取り組んでいます。
永田助教は、集中ケア認定看護師であり、クリティカルケア領域における看護の専門性や患者の自律性に関する研究をしています。