医学科Medicine

放射線医学

沿革

昭和51年1月1日大出良平が放射線医学講座の初代教授として任命され、昭和51年4月放射線医学講座を開設し、講座の基礎を築いた。以降、竹中榮一が昭和59年4月から第2代教授として、草野正一が平成3年9月から第3代教授として、小須田茂が平成16年9月から第4代主任教授として着任し、平成20年4月から加地辰美が教授に昇格した。草野正一は平成15年4月、防衛医科大学校教育担当副校長兼医学教育部長に昇格されたが、平成16年7月急逝された。平成4年以降、小須田茂、植松稔、片山通章、加地辰美、横山久朗、横川徳造、山本富裕美、佐藤導直、武田篤也、徳丸阿耶、対馬義人、岩崎善衛、小泉淳、起塚裕美、金崎佳子、河野正志、坂田郁子、浜幸寛、能城毅、阿部克己、林克己、喜多保、新本弘、曽我茂義、塩見英佑、川内利夫、岡村哲平、山本真由の諸氏が在籍し、講座を支えてきた。
平成25年12月現在、在籍した医局員、本校在校生、教務職員は延べ75名、現在の人員構成は助教以上の医局員10名、教務職員(人材派遣)3名である。

教育の概要

放射線医学の画像診断、インターベンショナルラジオロジー(IVR)、放射線治療、核医学(分子イメージング)、放射線防護、放射線生物学の総論と各論を担当してきた。放射線医学は形態医学系に属し、総論と各論の一部は第2学年のコア・カリキュラムで、各論は第4、5、6年生のコア・カリキュラムで教育している。各専門教育科目でも放射線医学を分担教育している。医師国家試験およびCBT対策として、コア・カリキュラムにおけるプリテスト、ポストテストの実施、BSLでの画像読影の指導、第6学年の医師国家試験直前補講を行っている。また、2、3学年生を対象に既成カリキュラム以外の画像読影実習を導入しCBT対策を行うとともに、埼玉県医学会総会での発表を指導している。医学科学生指導教官として積極的に参加し、親睦を図るとともに指導を行っている。
IVRでは臨場感を持たせるためにできるだけ、学生を血管撮影室にプロテクターを着せて手技に立ち会わせている。専門研修医では第一術者として手技を行わせ年間300-400例の症例を経験させている。4名の医師がIVR専門医を取得している。
研修医、専修医の教育目標は放射線科専門医、放射線診断専門医、放射線治療専門医合格であり、指導管理責任者として、専門医研修記録簿に沿って研修を受けるよう指導している。地方会、研究会での学術発表を積極的に行うとともに、卒後の教育訓練を充実させるために臨床各科との合同カンファレンスにも参加している。優れた放射線治療専門医育成に向けて自衛隊中央病院と連携して教育を行っている。研究科学生は現在3名所属しそれぞれ指導を受けながら、テーマとしてMRIを使用した拡散強調画像による前立腺癌の研究、腎機能評価の研究を行っている。その他、放射線被曝に対する水素服用の効能について研究を行い、成果を挙げている。

研究の要約

大出良平教授、竹中榮一教授、草野正一教授の3代にわたり、画像診断の研究、とりわけデジタル画像診断システムの構築に尽力されてきた。この伝統的研究成果を受け継ぎ、いち早く64列MDCT 2機を導入して各学会、研究集会でデジタル画像関連の業績を報告した。平成17年度に3テスラMRI一号機を導入し、これを用いた研究成果、とくにMRI拡散強調画像に関する研究を中心に行っている。モニターカンファレンスを用いた教育成果を報告してきた。また、単純X線、CT、 MRI、 SPECTの各種デジタル画像の融合画像を作成し、診断精度の向上について発表してきた。現在、ハイブリッド型SPECT/CT、PET/CT、PET/MRI装置が次々と登場し、我々の研究成果が生かされていると実感している。
核医学部門では、外科学講座、耳鼻咽喉科学講座とのSentinel Node Navigation Surgeryに関する共同研究を行い、研究成果を報告してきた。外科学講座研究員の学位審査論文としても貢献してきた。最近では皮膚科学講座も加わり、ICGを用いた近赤外線蛍光イメージングへと研究方針を拡大して、ヌードマウスを用いた基礎的研究を続行中である。内用療法に関しても他施設と共同で学術論文を発表してきた。福島原発事故以来、国民の放射線被曝、放射線障害の関心が高まっている。日本アイソトープ協会との共同研究で福島県内の小学校父兄に教育講演を行うとともに、研究成果を報告している。
低侵襲治療への期待が高まる中で、放射線治療とIVRの患者数が増加している。平成23年度から治療計画用CTを併設した新しいライナックが導入され、放射線治療が再稼働されている。特に近隣の放射線治療を行っていた施設が放射線治療を中止したため、当院の放射線治療は2か月待ちの状態である。さらに癌拠点病院申請のために急遽CTガイド下アフターローディング装置が導入された。安全な高線量治療が期待されている。これからの研究成果が期待される。
IVRでは、IVR-MDCT、bi-plane血管撮影装置などの最新機器を導入してimage-guided therapyを積極的に行い安全な治療に当たっている。
血管系IVRとしてはBRTO(Balloon-occluded Retrograde Transvenous Obliteration)、 TIPS(Transjugular Intrahepatic Portosystemic Shunt)などの門脈圧亢進症のIVRや動脈瘤塞栓術、ステント留置術、UAE、消化管出血や外傷における大量出血などの緊急時における止血術、現在ではステントグラフトによる大動脈瘤の治療も血管外科と連携し行っており、救急放射線研究会、IVR学会を中心に報告している。非血管系IVRとしてはPTBD(Percutaneous Transhepatic Biliary Drainage)、胆管内ステント留置、膿瘍ドレナージ、肝細胞癌、腎細胞癌などのアブレション(ラジオ波焼灼術)に関して研究成果を国際学会、関連学会で報告している。来年度には凍結治療器の導入も予定されているので更なる癌治療の研究成果が期待される。

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