診療科・部門 Department

血液内科

  • 診療科長木村 文彦
  • 常勤医師小林 真一
  • 常勤医師加藤 章一郎
  • 非常勤医師堀内 俊克

全般的な診療内容

血液内科疾患一般を対象としています。日本血液学会、骨髄移植推進財団、日本さい帯血バンクネットワーク認定施設です。

令和元年10月1日より血液内科の初診外来は原則、紹介予約制となりました。

  • 紹介元医療機関から当院地域医療連携室を通じて、初診外来予約を取得して下さい(FAX申し込み)。
  • 予約取得当日(遅くとも翌日まで)に診療情報提供書を、当院地域医療連携室にFAXしていただいて下さい。当科で内容を確認し、より早期の受診を指示する場合もあります。
  • 緊急性があると思われる場合には、紹介元医療機関から当院地域医療連携室を通してご連絡をお願いします。

疾患別診療内容および治療内容

急性白血病
全国的な研究組織JALSG(Japan Adult Leukemia Study Group)に所属し共通プロトコールに従って治療を行っています。造血幹細胞移植が必要な場合は積極的に実施しています。
急性白血病は入院や治療に緊急性を要する疾患であると同時に、最初の治療で4ヶ月から半年の入院が必要となります。治癒をねらえる疾患であるが故に、当科の治療能力を超える数の患者様を受け入れることはできません。急性白血病が強く疑われる場合は、直接来院される前に、必ず紹介医から受け入れ可能かどうかの調整をしていただいて下さい。

悪性リンパ腫
最も多いびまん性大細胞型リンパ腫には標準療法としてCHOP療法にリツキシマブ(抗体治療薬)を加えて治療しています。近隣医療機関と提携して外来中心の化学療法を行っています。その他の組織型に対してはそれぞれに応じた治療法を選択しています。臨床病期はPET-CTと骨髄穿刺検査で決定しています。病期の進行した場合や、再発した場合には、自家末梢血幹細胞移植や同種造血幹細胞移植を行っています。

多発性骨髄腫
年齢が比較的若い患者様には、新規治療薬をもちいた積極的な化学療法に自家末梢血幹細胞移植や同種造血幹細胞移植を加えて、治癒を目指すように努力しています。高齢の患者様ではQOLを重視した治療を行っています。

造血幹細胞移植(骨髄移植・末梢血幹細胞移植・臍帯血移植)
骨髄バンク・臍帯血バンクの認定施設になっており、血縁ドナーが見つからない移植適応の患者様でも、これらのバンクで適合ドナーが見つかれば、造血幹細胞移植治療を行うことができます。

造血器悪性腫瘍(血液がん)に対して、化学療法から造血幹細胞移植まで総合的な治療を行っています。

急性白血病の遺伝子異常の解析
微小残存白血病細胞の分子生物学的モニタリング

入院患者数 約180名/年
病床数 26床
同種造血幹細胞移植 約15件/年
急性白血病 約20例/年
悪性リンパ腫 約90例/年
多発性骨髄腫 約20例/年

防衛医科大学校病院血液内科では、白血病や骨髄異形成症候群の予後を明らかにするために以下の試験に参加しております。個人が特定されることはありませんが、試験に不参加を希望される方は担当医に申し出て下さい。

試験名
参加施設に新たに発生する全急性骨髄性白血病(AML)、全骨髄異形成症候群(MDS)、全慢性骨髄単球性白血病(CMML)症例を対象とした5年生存率に関する観察研究(前向き臨床観察研究):(JALSG-CS-11)

研究事務局
日本成人白血病治療共同研究グループ(JALSG)NTT東日本関東病院 臼杵 憲祐

目的
本研究に参加するJALSG施設において診断された全ての初診急性骨髄性白血病(AML,WHO分類による定義)と骨髄異形成症候群、慢性骨髄単球性白血病(CMML)を登録し、5年生存率、ならびに新規薬剤レナリドミドと脱メチル化薬治療の実施状況を明らかにする。

試験の種類
疫学研究(前向き観察研究)

試験の対象となる方
参加施設で新たに診断される急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)
収集される情報は以下の検討のために利用されます。

  1. AML患者の5年生存率
  2. MDS患者の5年生存率
  3. CMML患者の5年生存率
  4. MDS患者に対する新規治療(レナリドミドおよび脱メチル化薬)の実施状況と成績
  5. 国内AML、MDS、CMMLの年齢、性別、病型スペクトラム
  6. 既知のAMLとMDS、CMML予後因子による症例層別化の可能性の確認
  7. AML209登録例と非登録例の生存の比較
  8. CMML患者に対する新規治療(脱メチル化薬)の実施状況
  9. 除外基準
    AMLまたはMDS、CMMLに対して化学療法または造血幹細胞移植療法の既往がある例は除外します。但し、先行する血液異常に対する治療(例えば再生不良性貧血に対する免疫抑制療法など)などは関係しません。

    試験の意義
    これまで国内には多数例を用いて白血病、高リスク骨髄異形成症候群の全体像を明らかにする試みはJALSG CS-07試験として観察研究がなされてきました。本研究は新規治療薬の登場に伴って、このCS-07試験を引き継ぎ拡充するもので、こうした疾患に対する治療法開発のために重要な情報が得られると考えられます。

    方法
    参加施設で新たに診断された対象疾患患者を連続的に登録し予後を調査する前向きコホート試験として実施します。治療に関する介入はなく、人体試料は採取しません。個人が直接同定されうる情報は収集いたしません。

    情報利用停止について
    試験への不参加や、参加取りやめを希望される方は担当医あるいは以下の連絡先に申し出てください。施設担当の先生を通じて研究代表者へ連絡され、情報は削除されます。

    目標参加者数
    2,670例 (全参加施設)

    防衛医科大学校における連絡先
    TEL 04-2995-1511 血液内科 木村 文彦

    防衛医科大学校病院血液内科では、白血病や骨髄異形成症候群の予後を明らかにするために以下の試験に参加しております。個人が特定されることはありませんが、試験に不参加を希望される方は担当医に申し出て下さい。

    試験名
    研究参加施設に新たに発生する全ての成人急性リンパ性白血病(Acute Lymphoblastic Leukemia, ALL)症例を対象とした5年生存率に関する前向き臨床観察研究:JALSG ALL Clinical Observation Study 12 (JALSG-ALL-CS-12)

    研究事務局
    日本成人白血病治療共同研究グループ(JALSG)札幌北楡病院血液内科 今井陽俊

    目的
    国内ALLの5年生存率、並びに生存に与える移植療法の影響を明らかにする。さらに今後のJALSG ALL治療プロトコール作成の戦略を検討するためのデータを蓄積する。

    試験の種類
    前向き観察研究

    試験の対象となる方
    本試験参加施設で試験開始後に新たに診断された15歳以上のすべての未治療ALL
    収集される情報は以下の検討のために利用されます。

    1. ALL患者の5年生存率
    2. ALL患者の生存率に対する造血幹細胞移植の影響
    3. 造血幹細胞移植を受けたALL患者の生存率に対する移植時期、前処置の影響
    4. 国内ALLの年齢、性別、病型スペクトラム
    5. 既知の予後因子による全症例層別化可能性の確認
    6. 化学療法の実施状況
    7. 化学療法による寛解持続期間

    除外基準
    ALLに対して化学療法または造血幹細胞移植療法の既往がある例は除外します。但し、輸血などの支持療法は関係しません。

    試験の意義
    現在、成人ALLの治療成績は十分なものではなく、新たな治療戦略を検討しなければならない段階にきています。本研究により、新規治療のための重要な情報が得られると考えられます。

    方法
    参加施設で新たに診断された対象疾患患者を連続的に登録し予後を調査する前向きコホート試験として実施します。治療に関する介入はなく、人体試料は採取しません。個人が直接同定されうる情報は収集いたしません。

    情報利用停止について
    試験への不参加や、参加取りやめを希望される方は担当医あるいは以下の連絡先に申し出てください。施設担当の先生を通じて研究代表者へ連絡され、情報は削除されます。

    目標参加者数
    733例 (全参加施設)

    防衛医科大学校における連絡先
    TEL 04-2995-1511 血液内科 木村文彦

    「血液疾患登録」のお知らせとお願い

    防衛医科大学校病院血液内科では、出血に伴う貧血を除いたすべての血液疾患の登録を推進し、診療や臨床研究に役立つデータベース作成を目的とする、以下の試験に参加しております。試験に不参加を希望される方は担当医に申し出て下さい。

    試験名
    血液疾患登録

    研究事務局
    日本血液学会事務局

    目的
    出血に伴う貧血を除いたすべての血液疾患の登録を推進し、診療や臨床研究に役立つデータベースを作成する。

    試験の種類
    観察研究

    試験の対象となる方
    参加施設で新たに診断される出血に伴う貧血を除いたすべての血液疾患

    試験の意義
    血液疾患は、内科疾患全体の中では約1割に満たない比較的稀な疾患です。頻度の低い難治性疾患の治療成績を向上させるためには、疾患の発生頻度や年次推移、地域差などを正確に把握し、その資料を礎として、多施設による臨床試験・研究を行う必要があります。
    しかし、血液疾患領域においては、診療費が公費で負担されている一部の疾患を除いて、全国的な疾患登録・解析はほとんど行われていません。このため、ある疾患が特定の地域においてどのくらい発生し、治療研究をどの程度必要としているのか、などが全く不明です。
    このような状況を改善するため、日本血液学会では、鉄欠乏性貧血のように血液内科以外の診療科でもしばしば診療される一部の疾患を除く全ての血液疾患を対象として、診断時に患者情報と病名を登録し、必要に応じて二次調査を行う、という血液疾患登録事業が計画されました。防衛医科大学校病院血液内科でも、この疾患登録システムを利用して初診患者の疾患名を登録することにより、血液疾患診療の向上に寄与したいと考えています。

    方法
    参加施設で新たに診断された血液疾患患者を連続的に登録し予後を調査する観察研究を実施しています。治療に関する介入はなく、人体試料は採取しません。個人が直接同定されうる情報は収集いたしません。

    研究責任者の氏名:木村 文彦
    診療科:防衛医科大学校病院血液内科
    連絡先:埼玉県所沢市並木3-2
    TEL 04-2995-1617

    分担研究者の氏名:佐藤 謙・小林 彩香・渡邉 純一・山村 武史・大澤 有紀子
    診療科:防衛医科大学校病院血液内科
    連絡先:埼玉県所沢市並木3-2
    TEL 04-2995-1617

    「平成21年3月31日までに受診された方へ」お知らせとお願い

    原発性免疫不全症の予後を明らかにするために以下の多施設共同研究に参加しております。
    新たに受診された患者さんからは個別に同意を頂きますが、平成21年3月31日までに血液内科を受診され、今後の解析の同意を得て検体保存を行った患者さんも対象としております。個人が特定されることはありませんが、試験に不参加を希望される方は担当医に申し出て下さい。

    試験名
    小児期発症疾患の遺伝的素因解明に関する研究

    研究代表者
    東京医科歯科大学 小児科 森尾友宏

    目的
    患者由来核酸及び血縁者の核酸の検討から系統的遺伝子解析で有意な遺伝子変異を明らかにすること、変異遺伝子の機能解析を行い疾患の成り立ちを理解すること、将来的な解析及び機能検討実験などのために細胞を保存することを目的とする。

    試験の種類
    後ろ向き観察研究

    試験の対象となる方
    遺伝的要因により疾患を発症した患者、およびその血縁者

    除外基準
    試験参加に不同意であった場合

    情報利用停止について
    試験への不参加や、参加取りやめを希望される方は担当医あるいは以下の連絡先に申し出てください。施設担当の先生を通じて研究代表者へ連絡され、情報は削除されます。

    防衛医科大学校血液内科における連絡先
    TEL 04-2995-1511 血液内科 木村文彦

    「骨髄性白血病細胞における代謝リプログラミングに関する研究」のお知らせとお願い

    1.研究の対象
    2018年7月までに当院で急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、慢性骨髄性白血病の治療をうけた方で、臨床研究に関する包括同意書を取得後に、十分量の骨髄や末梢血検体が保存されている20才以上の方

    2.研究目的・方法
    がん細胞は、その活発な増殖や転移などを可能にするため、正常細胞とは異なる代謝活動を行うことが知られています。代謝リプログラミングと呼ばれるこの現象は、がん細胞の生存・分裂に必要なエネルギーの産生やタンパク質・核酸などの生体高分子の供給に重要であり、最近では、がんが体内で生き延びるための重要な戦略のひとつと考えられるようになりました。
    一方、良性腫瘍や前がん状態から悪性度の高いがんへと進展するときにも、このような代謝系の変化が起こっているかについてはこれまで明らかではありませんでしたが、共同研究機関であるジョージア大学生化学・分子生物学部の研究グループが、慢性骨髄性白血病では、アミノ酸代謝酵素のひとつであるBCAT1が活性化し、白血病幹細胞のアミノ酸代謝を変化させ、急性白血病へ悪化させることを報告しました。現在その後の研究により、BCAT1関連遺伝子や、その他の関連遺伝子を抑制することで、細胞増殖が抑制され、あるいは未熟白血病細胞が成熟細胞へと分化することが、細胞株で確認されています。
    本研究の目的は、正常な細胞とがん細胞とで異なる代謝系あるいはその関連遺伝子を見い出すことにより、この違いを標的とする新たな白血病治療に寄与することを目的としています。方法は、現在、防衛医科大学校内科学講座血液内科に保存されている患者さんの骨髄あるいは血液の検体から幹細胞を分離し、細胞代謝の解析などを行います。

    3.研究に用いる試料・情報の種類
    情報:病歴、治療歴、副作用等の発生状況、カルテ番号 等
    試料:血液、骨髄液(採血、骨髄検査時のもの)

    4.外部への試料・情報の提供
    共同研究機関のジョージア大学へ検体を送付する場合は、FedEx等で発送します。検体やデータは、匿名化番号で標識された状態に変換し、患者IDや臨床情報以外の個人情報とは完全に切り離された状態で送付され、管理は、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。対応表は、防衛医科大学校の研究責任者が保管・管理します。

    5.研究組織
    共同研究機関:ジョージア大学生化学・分子生物学部准教授 伊藤 貴浩

    6.お問い合わせ先
    本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせください。
    ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することができますのでお申出ください。
    また、試料・情報が当該研究に用いられることについて、患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

    照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
    359-8513 埼玉県所沢市並木3-2
    防衛医科大学校内科学講座 大澤 有紀子
    電話番号 04-2995-1211(代)

    研究責任者:
    防衛医科大学校内科学講座 木村 文彦

    研究代表者:
    防衛医科大学校内科学講座 木村 文彦

    「機械学習による急性白血病の病型診断に関する研究」のお知らせとお願い

    1.研究の対象
    2010年1月から2023年3月までの間、当院で初発または再発急性白血病の診療を当院でうけた方。また同時期に悪性リンパ腫の診断で骨髄検査をうけた方。

    2.研究目的・方法・期間
    近年、急性白血病は遺伝子異常をもとに治療法が選択されるようになりましたが、分子生物学手法による遺伝子異常の同定には検査から数日間を要しています。一方で機械学習を用いた画像解析ソフトウェアにより、多数の細胞の特徴を評価することが可能となりました。そこで、本研究では、2010年1月から2023年3月の間に急性白血病の診療をうけた方の骨髄や血液の塗沫標本を、画像解析ソフトウェアを用いて解析し、遺伝子異常に関連する特徴を明らかにすることで、診断後速やかに遺伝子異常を推定できる知見を得ることを目的とします。この知見により有効な治療薬を早期に選択でき、治療成績が改善することを期待しています。画像解析ソフトウェアが白血病細胞の無い状態を学習する対象として、同時期に当院で診療をうけた悪性リンパ腫の方の骨髄標本を使用します。

    3.研究に用いる試料・情報の種類
    試料:骨髄または末梢血の塗沫標本
    情報:急性白血病の病型、遺伝子異常、骨髄検査の結果 等
    (正常対照となる悪性リンパ腫の方は骨髄浸潤の有無の情報のみ利用します)

    4.研究に用いる試料・情報の管理についての責任者
    内科学(血液内科) 木村 文彦

    5.お問い合わせ先
    本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
    ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
    また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

    照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
    TEL 04-2995-1511(代表) 血液内科 木村 文彦

診療受付時間について

  • 受付時間08:30~11:00
  • 診療時間08:30~17:00
  • 休診日土曜、日曜、祝日
    年末年始(12/29~1/3)
    創立記念日(2024/11/27(水))
  • 面会時間面会時間はこちら →
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