看護学科Nursing

成人看護学

沿革

成人看護学講座職員(前列左から伴、安酸、後列左から椙田、原田、餘目)

成人看護学講座職員(前列左から伴、安酸、後列左から椙田、原田、餘目)

平成26年4月に成人看護学講座が開設され、初代教授として安酸史子が着任。平成28年2月現在、安酸教授を筆頭に、伴佳子准教授(平成26年4月、自衛隊中央病院より)、原田奈穗子講師(平成26年4月、国立保健医療科学院より)餘目千史講師(平成27年3月、日本赤十字看護大学より)椙田広明助教(平成27年4月、防衛医科大学校病院より)の教官5名の構成で教育、研究実務にあたっている。平成28年4月からは、新たに青柳悦子助教、永井奈穗子助教、高橋はるな助教が加わり看護学科内では最も大きな講座としての指導体制が整う。
医療のグローバル化、超高齢化社会、医療のIT化と、看護を取り巻く環境はダイナミックに変化を続けている。成人看護学分野では臨床現場の最新の知識・技術を教育に反映すべく、安酸教授・原田講師・餘目講師は糖尿病を中心とした内科外来、伴准教授は緩和ケア、椙田助教は血液透析室という臨床実践の場で防衛医科大学校病院看護部と協働し、より質の高い看護実践、教育、研究の連携に取り組んでいる。
また、平成27年11月には、安酸教授を大会長として、看護理論の世界的な権威者であるコロラド大学名誉教授Jean Watson博士を招聘して第2回国際ケアリング学会を開催した。メインテーマを「ケアリングと看護教育」とし、国内国外からの参加者の間で、ケアリングを看護教育に取り入れる理論・方法論・実践について活発な討議が行われた。

教育の概要

成人看護学を通じ、学生は社会を支える世代である成人期(15-64歳)にあたる人々の、健康生活を支援する看護援助のあり方と実際を学ぶ。看護学教育の中で最も講義・実習時間数の多い、看護学教育の柱となる領域である。
1年次には、「成人看護学概論」にて成人期の発達段階や発達課題、社会を支える世代のヘルスプロモーション活動、基礎看護学を展開させた学問としての位置づけを学ぶ。2年次には、「成人看護援助論Ⅰ」にて健康危機状態や、慢性疾患のセルフマネジメントが必要となったときの看護を代表的な疾患を通して学ぶ。「成人看護援助論Ⅱ」では、理論を症例へ応用すべく事例展開にて看護アセスメント能力や計画立案力を向上させ、基礎看護学領域にて学んだ看護技術を応用しより実践に近い看護技術を習得する。3年次には、知識と技術を統合し、対象の健康問題の抽出、ケアの実践を「成人看護学実習A」「成人看護学実習B」にて目指す。また、がんとともに生きる人を支える「緩和ケア論」を学び患者・患者家族の安寧と安楽の知識を習得する。
実習は、防衛医科大学校病院及び自衛隊中央病院の病棟において少人数グループ制で行い、臨床指導者と講座教員によるきめ細やかな指導を目指している。「経験型実習教育」を導入し、ヒューマンケアリングが実践できる学生の育成を目指している。「経験型実習教育」とは、講座長の安酸教授が提唱している双方向の成長を目指す実習教育の方法論で、昨年には理論から実践例までを網羅する著書が出版された(安酸史子:経験型実習教育 看護師をはぐくむ理論と実践、医学書院、2015、)。学習者自らが意味づける「経験」は、専門職がそのキャリアを通じて成長し続ける土台になる。理論と知識を統合し、患者の個別性を見極めたケアの展開のできる知力と技術を備えた人材を育成するために、臨床指導者との協力体制を構築しながら学習環境の整備を進めている。

研究の要約

安酸教授は、看護における教育機能について研究興味を抱き、主にケアリングの理念を基本とした看護教育方法論を追求している。看護学生対象には看護実習教育方法論として「経験型実習教育」を提唱し、新人看護師教育では、プリセプティ教育のあり方を検討してきた。糖尿病患者対象には、自己効力理論を基盤にしたセルフマネジメント支援のあり方について検討してきた。また、文部科学省の基盤研究(B)の代表研究者として、看護系大学における発達障害傾向の学生に対するサポート・スペクトラム構築に関する研究を他大学と共同で行っている。
伴准教授は、がん看護専門看護師としての知識と経験を踏まえ、がん患者・家族のQOLの向上と膵臓がん患者と家族のケアに関する研究を行っている。特に、がん患者の約8割が一般病院で亡くなっている現状から、一般病院看護師による終末期がん患者の治療選択・療養場所選択の支援やスピリチュアルケアなどの実践を推進するシステムの構築を目指している。
原田講師は、米国ナースプラクティショナー過程の知識とエビデンスに基づいた救急・集中治療といった急性期の臨床実践とともに、災害時における公衆衛生対応について研究を行っている。国立保健医療科学院健康危機管理研究部門客員研究員として多くの研究機関と、災害時の情報共有基盤構築に関する研究を行っている。また、国際保健分野においては緊急時支援の質の保証と倫理に関して国際的認定トレーナーとして、防衛医大看護学科生の将来の官民連携を見据えた教育を実施している。
餘目講師は、慢性疾患看護を専門領域とし、特に2型糖尿病を持つ人への看護を研究領域としている。壮年期にある2型糖尿病患者が社会とのかかわりを維持しながら生活できるように心理的ケア、自己管理能力向上へのケアを探求している。
椙田助教は、防衛医科大学校病院血液浄化療法部と連携し、透析に関する臨床研究に取り組んでいる。3次救急病院では溢水を伴って緊急入院する慢性透析患者が少なくないが、従来のパラメータだけでなく、身体組成成分分析、循環血液量変化、血漿再充填速度などの客観的指標を用いることにより的確な除水ができるよう、その有用性について研究を行っている。

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