医学科Medicine

麻酔学

沿革

 昭和50年4月福島和昭が初代教授として就任し、昭和52年4月麻酔学講座が開講した。平成3年福島和昭が慶應義塾大学麻酔学講座教授へ転任したことに伴い佐藤哲雄が第二代教授に就任した、平成15年佐藤哲雄が定年退官し第三代教授として風間富栄が浜松医科大学麻酔蘇生学講座助教授から就任した。そして,平成29年4月池田健彦が第四代教授として就任し現在に至っている。

教育の概要

 麻酔学講座への新卒入局者は防衛医科大学校卒業生にほぼ限られるので卒前教育は麻酔学の魅力を防衛医科大学校医学科学生へ伝え,結果として麻酔学講座入局者を増やすことを目的の一つとしている。医学科学生に対する講義として第3学年に2回、4時間、第4学年に16回、32時間行っている。内容は麻酔学概論、麻酔学実践編、基礎医学と麻酔、全身麻酔・全静脈麻酔、麻酔と循環、モニター、局所麻酔と腰麻・脊麻、ショック、集中治療、麻酔と呼吸、産科麻酔、脳神経外科の麻酔、心・大血管の麻酔、筋弛緩薬、内分泌と麻酔、ペインクリニック、手術室ITシステムである。第4学年あるいは第6学年にBSLが2週間行われる。BSLにおいて学生は指定された担当医につき、術前評価、麻酔プラン、麻酔手技を実習する。毎日スタッフ,研究科学生によるクルズスがある。また、麻酔科外来でペインクリニックの実習も組み込まれている。

 卒後教育に関しては専門医取得を全面的にバックアップする体制をとっている。大学での専門研修医期間を3年に延長するよう勧めている。また,専門医取得に必要な特殊麻酔の症例数が足りない際は部外施設での研修も認めている。研修医の自主性を尊重し、個性を伸ばすよう教育している。月曜日から金曜日までは朝,手術患者が手術部へ入室する前に術前カンファレンス、それに引き続き最新の海外論文を紹介する抄読会や症例検討会を行っている。

研究の要約

 教室の伝統として若い研究者による独創的な研究が行われてきた。田北らはヒトにおいて静脈麻酔薬プロポフォールの呼気中の定量化に成功し静脈麻酔の新たなモニタリングの可能性を示した (Anesthesiology 106:659-64, 2007)。この論文は麻酔科領域のトップジャーナルであるAnesthesiology誌にEditorial付きで巻頭論文として掲載された。また,諸橋らはラットにおいて吸入麻酔薬セボフルランをエマルション化し静脈内投与して麻酔効果を発現することに成功した (Anesth Analg 122:712-8, 2016)。

 臨床で得た疑問点をヒントに積極的に研究を行い、その結果を学会で発表するのみならず国際雑誌へ投稿するよう指導している。現在,麻酔薬,麻酔法,痛みに関する基礎研究,臨床研究が多岐に渡って行われている。

 まず,現在麻酔科領域のトピックの一つになっている発達脳における吸入麻酔薬暴露の神経毒性の基礎研究を薬理学講座と共同で多方面から行っている。高榎はこの研究の一つで第19回日本麻酔科学会若手奨励賞を受賞している (Neonatal exposure to sevoflurane in mice causes deficits in maternal behavior later in adulthood)。

 また,麻酔薬の薬物動態学,薬力学に関する研究をヒトにおいて行っている。石垣は筋弛緩薬の研究で第22回日本麻酔科学会若手奨励賞を受賞している (Saline flush after rocuronium bolus reduces onset time and prolongs duration of effect : A randomized clinical trial)。

 川口は筋弛緩薬の脳波に与える影響に関する論文で第1回NNMM研究奨励賞を受賞した (Rocuronium dose-dependently suppresses the spectral entropy response to tracheal intubation during propofol anaesthesia)。

 埼玉麻酔科専門医会の事務局を本講座に置き、年2回研究会を開催し、埼玉県の麻酔科医の学術交流を行っている。

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