医学科Medicine

耳鼻咽喉科学

沿革

昭和59年2月初代教授井上鐵三が着任し、本講座は開設された。

教授は、初代教授井上鐵三が平成9年に退官後、当時助教授であった北原哲が昇任した。平成18年北原哲教授退官後、慶應義塾大学助教授であった塩谷彰浩が着任し、現在に至っている。
歴代助(准)教授は、平出文久(昭和52年~昭和60年)、飯塚啓介(昭和61年~昭和63年)、北原哲(平成元年~平成9年)、甲能直幸(平成10年~平成14年)、田部哲也(平成14年~平成19年)、松延毅(平成23年~平成26年)、山下拓(平成26年~現在)である。
歴代講師は、都川紀正(昭和53年~昭和58年)、椿康喜代(昭和53年~昭和58年)、細川智(昭和56年~昭和60年)、北原哲(昭和59年~平成元年)、島一晴(昭和59年~昭和60年)、田村悦代(平成2年~平成14年)、海江田純彦(平成5年~平成9年)、田部哲也(平成8年~平成14年)、中之坊学(平成8年~平成12年)、伊藤靖郎(平成10年~平成12年)、村田保博(平成13年~平成18年)、大前由紀雄(平成15年~平成18年)、唐帆健浩(平成18年~平成20年)、松延毅(平成20年~平成23年)、山下拓(平成20年~平成26年)、荒木幸仁(平成21年~現在)、冨藤雅之(平成22年~現在)、水足邦雄(平成26年~現在)となっている。

教育の概要

講義は第3学年の内分泌系における甲状腺、副甲状腺疾患、免疫アレルギー系における鼻アレルギー、第4学年の感覚器系における耳科学、鼻科学、口腔咽頭科学、喉頭科学、頭頸部腫瘍学等、救急総合医学系における嚥下、難聴、めまい等、第4、5学年の臨床講義における人工内耳、嚥下障害、睡眠時無呼吸、鼻アレルギー等を担当している。高等看護学院においても、疾病治療論D(耳鼻咽喉科の代表的な疾患と治療)を担当している。また、4年生時に基本臨床技能実習(OSCE)の頭頸部診療を担当し、臨床実習においては、第4学年(5グループ)および第6学年において(6グループ)、BSLを行っている。BSLの最後に各学生に割り当てられた患者について、学会発表形式でパワーポイントを用いたプレゼンテーション、質疑応答を行い、臨床研修のみならず成果や研究の発表を行うことの重要性を伝えている。

喉頭気管の研究

喉頭気管の研究

(1)喉頭気管狭窄の新しい治療法
安全性の高いセンダイウイルスベクター(SeV)による遺伝子治療、カルシニューリン阻害剤タクロリムスを用いた新しい治療法を検討している。ラット気管狭窄モデルを新たに確立し、SeVが喉頭、気管へ遺伝子導入可能であることを証明した。
(2)過誤神経支配克服を目指した末梢性運動神経障害の新しい治療法(共同研究:解剖学講座 小林教授、松井先生)
反回神経など末梢性運動神経障害の機能回復を目指した、遺伝子治療や分子標的治療法を研究している。神経ラベリングによる神経再生、過誤支配の中枢での評価法や、筋電図による喉頭筋活動評価法などを確立した。今後反回神経切断モデルにおける新しい神経再生チューブやNGFを標的とした治療効果の検討を進める。

頭頸部癌の研究

(1)LISWによる新しい頭頸部癌遺伝子導入(共同研究:防衛医大情報システム研究部門 佐藤准教授)
Laser衝撃波による頭頸部癌への遺伝子導入を報告した。
(2)SeV-FIRによる頭頸部癌遺伝子治療
頭頸部癌に対するSeVの遺伝子導入効果を検討し、細胞増殖に作用する転写因子c-mycの抑制因子FIRによるSeV遺伝子治療を検討している。
(3)AP-1阻害剤による頸部リンパ節転移転移抑制、放射線性粘膜炎抑制治療
MMPなどの阻害作用を持つAP-1阻害剤(T-5224)を用いた転移抑制効果をそのメカニズムとともに検討している。抗炎症作用も期待できるため、粘膜炎抑制効果の検討なども行っている。
(4)腫瘍溶解型SeV(Bioknife)による甲状腺未分化癌
頭頸部扁平上皮癌治療Bioknifeは腫瘍特異的に感染、細胞の融合・融解を起こし、細胞死へ導く。極めて予後不良な甲状腺未分化癌やHNSCCに対しての治療効果検討を、新たに甲状腺未分化癌同所移植モデルを確立し行っている。治療効果が証明でき次第Orphan drug申請を行い、臨床試験を開始する方向で進めている。
(5)センチネルリンパ節(SLN)の新しい診断・治療法(共同研究:防衛医大放射線科 小須田教授)
SLN同定のトレーサー、ICGの問題点を克服するための基礎的研究を行っている。ICGとフチン酸の混合法による利点を検討し、臨床応用に向け準備を進めている。またSLNを標的とした治療法へ発展させるべく、さらなる検討を行う。
(6)新しい頭頸部癌腫瘍マーカーの開発
保険収載を目指し、臨床血液検体を用いて新しい鋭敏な腫瘍マーカーの開発を行っている。
(7)漢方による放射線性口腔粘膜炎抑制
化学放射線療法における合併症として重要な粘膜炎治療に対する、半夏瀉心湯による抑制効果の検討を臨床において行い、報告している。
(8)ラクトソームICGを用いた頭頸部癌診断、治療(共同研究:防衛医大情報システム研究部門 佐藤准教授)
ラクトソーム化ICGによる頭頸部癌の新しい腫瘍診断技術の開発、Photodynamic therapyによる治療効果検討を行っている。

聴覚・前庭機能の研究

音響外傷や爆傷による内耳障害および前庭機能のメカニズム解明、遺伝子解析および治療に関して研究を行っている。メカニズム解明に関しては、内耳障害に関しては細胞内シグナルであるFRSやERKの内耳特異的ノックアウトマウスを用いて、音響外傷のシグナル解明に取り組んでいる。また、耳鳴評価法であるGap detection test を用いて、爆傷モデル動物における耳鳴評価および蝸牛神経核を含めた聴覚中枢の分子メカニズム検証を行っている。前庭機能に関しては航空自衛隊の空間識訓練装置を用いて空間識失調の研究を行っている。騒音感受性候補遺伝子の検索を騒音職場の自衛隊員を中心に解析を始めている。
内耳障害の治療に関しては、新規薬剤として細胞保護効果のある活性化プロテインCの検証を行っている。また、低出力波レーザー照射による内耳保護効果も併せて研究を行っている。

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