医学教育部の施設Research facility

動物実験施設

沿革

動物実験施設は、昭和52年3月に第1動物実験棟が竣工し、共同利用研究室の1部門として業務を開始した。職員は、実験動物専門官1名が認められただけで、実際の運営は管理者及び副管理者が教官の中から指名されその任に当たった。昭和54年4月の組織新設に伴い、独立した動物実験施設となり、施設長(兼任)及び専任教官(助教授)が認められ、専任教官として橋爪一善助教授(現在岩手大学教授)が配置された。また、施設を円滑に運営するために動物実験施設運営委員会が設置された。施設1階の極めて狭かったRI実験室は、昭和59年度に専用棟の建設が認められ、昭和60年4月に現在のRI実験棟が完成、移転した。また、専任教官1名の増員が認められ、同年5月牧嶋章泰助手(現在物理学教授)が採用され、RI実験棟に配置された。平成3年度には第2動物実験棟が完成し、現在の施設規模となった。平成6年には橋爪助教授の転出に伴って、福田孝一助教授(現在准教授)が配置された。平成7年には牧嶋助手の物理学への転出に伴い、波間美佐子指定講師が薬理学講座から配置換えされた。平成11年には波間指定講師の退官に伴い、冨宿誠吾助手(現在指定講師)が採用された。平成17年3月から平成18年2月にかけて第1動物実験棟の老朽化に伴う大規模な改修が行われた。平成20年4月には動物実験の適正な実施のための学校長の諮問機関として動物実験倫理委員会が設置された。平成23年度には、第2動物実験棟の空調設備の老朽化に伴う空調機の交換が行われた。
歴代施設長として、大出良平放射線医学講座教授(当時)、酒井豊薬理学講座教授(当時)、辰濃治郎生理学第二講座教授(当時)、神中寛細菌学講座教授(当時)、井出一三法医学講座教授(当時)、濱島房則寄生虫学講座教授(当時)、布施裕補病理学第二講座教授(当時)、六反田亮微生物学講座教授(当時)、吉岡正彦解剖学第一講座教授(当時)、小林充尚分べん部教授(当時)、山本三毅夫生化学第二講座教授(当時)、多田隈卓史寄生虫学講座教授(当時)、渡邊康裕薬理学講座教授、松原修病理学第二講座教授(当時)、関修司免疫・微生物学講座教授、小林靖解剖学講座教授、河合俊明臨床検査医学講座教授、四ノ宮成祥分子生体制御学講座教授が就任し、平成25年4月から現施設長の熊谷裕生内科学講座教授へと引き継がれている。

概要

動物実験施設は、第1動物実験棟(4階建て、約1,600m2)、第2動物実験棟(5階建て、約2,200m2)及びRI実験棟(3階建て、約900m2)からなっている。そして第1動物実験棟と第2動物実験棟は、2階と3階で渡り廊下により連絡している。平成18年の第1動物実験棟の大規模改修後は、遺伝子組換えマウスを使用した実験の増加にも対応できるようになった。ラット600ケージ、マウス2,150ケージをはじめ、ウサギ、モルモット、イヌ、ブタ、ヒツジ、サル等を収容可能であり、小動物実験室、X線室、中・小動物手術室4室、行動観察室、回復室、隔離実験室、検疫室を完備している。飼育室、実験室及び手術室は高度に管理された環境制御機構を持ち、年間を通して適正な温度、湿度が保たれている。加えて非常用発電機を導入し、停電時も動物の飼育環境を損なわないようにしてある。マウスおよびラットの全飼育室には、逃亡防止のためのネズミ返しを設置している。
人獣共通感染症の原因になる病原体や実験動物に致死的な症状や実験に影響を与えるほどの生理的影響をもたらす病原体の侵入や汚染の拡大を阻止するため、施設内へはフィルターを通したクリーンな空気が供給され、一方向気流方式が採用されている。また、各飼育室にはアイソレーションラックが設置されている。実験動物生産業者からの動物搬入については微生物学的基準を設け、外部施設からの搬入についても実験動物の授受に関するガイドラインを参考にして検疫対象とする病原体を指定している。施設への人の出入りは入退室管理システムにより厳密に管理されている。

運営

動物実験施設の運営は、防衛医科大学校動物実験施設運営委員会のもとで、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)および動物実験施設の運営に関する達(昭和54年防衛医科大学校達第4号)等に従って細部事項を定めた施設諸規定、即ち、動物実験施設利用者心得、流行性出血熱の予防規定、動物実験実施要領、動物実験施設におけるエックス線装置使用規定を基本にしてなされている。
これら施設諸規定のほかに、動物の愛護及び管理に関する法律の一部を改正する法律(平成17年法律第68号)の施行、実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準(平成18年環境省告示第88号)および研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針(平成18年文部科学省告示第71号)の告示に伴い防衛医科大学校動物実験規則(平成20年防衛医科大学校達第3号)が定められている。この動物実験規則に基づいて動物実験倫理委員会が設置され、動物実験施設はその事務局として防衛医科大学校における科学的かつ実験動物福祉に配慮した倫理的観点、実験関係者の安全確保の観点において適正な動物実験の遂行のための活動にも深く関わっている。その関わりの一環として、動物実験倫理委員会のもとで動物実験計画の予備審査および実験動物飼養保管施設・動物実験室の審査、動物実験実施者に対する教育訓練等を行っている。
また防衛医科大学校においても、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年法律第97号)の施行に伴い防衛医科大学校組換えDNA実験安全管理規則(平成20年防衛医科大学校達第1号)が定められている。この規則に従い、動物実験施設は、遺伝子組み換え動物や組換え生物を接種した動物を使用する動物実験について、遺伝子組換え生物等の拡散の防止等にも留意している。
最近、防衛医科大学校においても動物実験の多様化が進んでいる。疾患モデル動物や遺伝子組換え動物が多く利用されるようになり、遺伝子治療を目的とする動物実験やナノ技術を利用した動物実験が増えてきている。動物実験施設の機能をこれまで以上に充実させて動物実験の多様化に対応するとともに、法令や規則に準拠し実験動物の福祉や実験関係者の安全確保にも対応した運営を続けていくことが今後の課題である。

情報公開

防衛医科大学校動物実験規則

動物実験に関する自己点検・評価報告書

実験動物飼養保管状況等

動物実験に関する検証結果報告書

沿革

旧動物実験施設(現第1動物実験棟)一階の一部にRI実験室が設置され、昭和52年7月に科学技術庁長官の使用承認を得た。当初、放射線取扱主任者には病院放射線科の竹下亨技師長が兼務で選任され、使用承認の申請等に尽力された。昭和56年4月に主任者として生理学第一講座の有馬利昭助手(兼務)が選任された。同年7月には科学技術庁の立入検査を受け、ラジオアイソトープ(RI)の使用及び管理等の大幅な改善を行った。
その後、液体シンチレーションカウンターの普及やラジオイムノアッセイ(RIA)の開発により研究におけるRIの利用が飛躍的に増大したため、施設の増設が叫ばれるようになった。そして神中寛教授の尽力により現在のRI実験棟が建設され、昭和60年4月に完成、移転した。建設途中の昭和60年1月から第3代目の主任者に衛生学講座の坂口栄一助教授(兼務)が選任され、施設の移転に伴う科学技術庁への承認使用に係る変更承認申請及び旧施設の廃止届けを行った。平成元年4月には牧嶋章泰助手が第4代目の主任者に選任され、科学技術庁への承認使用に係る変更申請及び法令改正に伴う自主点検制度の制定を行った。また、平成5年6月に実施された科学技術庁の立入検査にも無事対応した。平成7年4月には坂口助教授が再び第5代目の主任者(兼務)に選任された。そして、平成13年4月のICRP90年勧告の法令への取り入れによる法令改正に伴う放射線障害予防規程の改定ならびに安全性の再検討を行い、平成14年10月に実施された文部科学省の立入検査にも無事対応した。平成17年4月には坂口助教授の退官に伴い、家田智賀司技官が第6代目の主任者に選任された。平成19年4月には動物実験施設の冨宿誠吾助教が第7代目の主任者に選任された。近年99mTcや123I等を使用する小動物用 in vivo 分子イメージング装置が普及しつつあるが、本校においてもこれらの核種の使用について要望が寄せられたため、使用核種および使用量等について文部科学省へ承認使用に係る変更承認申請をおこない、平成25年1月に承認された。

概要

RI実験棟は3階建ての独立棟であり、隣接する排水処理施設及び有機廃液焼却のための廃棄施設を含む放射線管理区域が柵により区画されている。棟内の放射線管理区域内には実験室5、測定室2、培養室、動物飼育室、暗室、貯蔵室、廃棄物処理室、廃棄物保管室等があり、管理区域外には管理室、監視室等がある。管理区域への立ち入りは、放射線業務従事者及び放射線管理総括者の許可を得た一時立入者に制限されている。平成16年度から(公社)日本アイソトープ協会へ有機廃液の集荷依頼が可能となったため、有機廃液の廃棄施設の使用は中止されている。
使用を承認されている核種は21核種であるが、そのうち3H、125Ⅰ、14C、35S、51Crの6核種が主に使用されている。年間の実験計画数は、RIAの最盛期の昭和62年には250題を数え、その前後は登録者数も200人前後に達し、利用者数も100人を超える年もあった。その後、RIAでの使用は、急激に減少した。平成3~8年頃にはRI法による遺伝子解析がブームとなり、RIの利用もそれほど減少しなかった。しかし、その後、遺伝子解析においてもRI法に代わり蛍光法が用いられるようになり、最近では、年間の実験計画数は10~20題、利用者数も20人程度と減少している。一方、動物へのRI標識化合物の投与を伴う実験や、遺伝子組換え動物を使用した実験が行われるようになるなど、実験内容には変化がみられる。さらに、前述のように平成24年度に利用者の要望に基づいて使用核種の見直しを行い、in vivo 分子イメージングに使用される主要な核種が利用可能になったところである。

運営

RI実験棟の運営は、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(昭和32年法律第167号)に基づいて制定された放射線障害予防規程である防衛医科大学校動物実験施設における放射線障害の防止に関する達(平成元年防衛医科大学校達第2号)を基本として行われている。また、その細則としてRI実験棟利用規程(平成元年4月)、放射性有機廃液焼却装置運転取扱書(平成元年2月)、放射線施設の維持・管理規程(平成5年2月)、緊急時心得(平成5年2月)を制定し、運用している。
放射線障害防止について必要な事項を企画審議するために、放射線障害防止委員会が設置されている。委員長は放射線医学講座教授が担当し、発足当初は大出良平教授、昭和59年4月に竹中榮一教授、平成3年9月に草野正一教授、平成16年7月に小須田茂教授が就任している。
放射線障害の防止に関する業務を総括するために放射線管理総括者が置かれている。放射線管理総括者は動物実験施設長(兼任)の職務とされ、その指示によりRI実験棟の職員がRIの取扱を管理している。また、施設の維持・管理を総括するために施設総括者がおかれている。施設総括者は施設課長の兼任職務とされ、その指示により施設課職員が施設の維持・管理を行っている。健康診断は保健管理室長の兼任職務とされ、春秋の2回、実施されている。

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